2014年9月30日火曜日

はじめに

■ このサイトについて



このサイトは、柳瀬陽介の授業を受講する広島大学教育学部英語文化教育講座(通称「教英」)の学生*が中心となって運営する英語多読読み物 (Graded Readers)の紹介ブログです。Graded Readersの選択・説明、記事の投稿・管理などこのサイトの運営はパスワードを共有する学生によって行われています。ですが、最終的な管理責任者は柳瀬です。




*ここでいう「学生」(あるいは「教英の学生」や「教英生」)の大半は教英の学部生と大学院生ですが、柳瀬の授業を受講する他講座の学生もこのブログの運営に加わっています。








■ このサイトの目的




このサイトは、教英の学生が、簡単な英語の読み物の多読を通じて英語読書の喜びを知ろうとする人たちのために、お薦めのGraded Readersを紹介することを目的としています。




実際は、柳瀬の授業で要求される課題(必須もしくは任意)の一環として記事は投稿されますが、"Computer for communication and community"の精神で、教英の学生は、単に授業課題として記事を投稿するのではなく、ウェブを通じてつながっている皆さんのために役立つ記事を書くことを目指しています。








■ 「英語読書の喜び」




読書とは、改めて考えてみるととても不思議な営みです。紙の上のインクの染みを左右に追ってゆくだけで、読者の心の中には豊かな響きをもった声が立ち現われ、多彩な三次元世界が展開してゆきます。この世界を文字に凝縮する「書く」という文化と、その文字から読者一人ひとりが自分独自の色合いをもって世界を呼び起こす「読む」という文化は、人間を他の動物から決定的に区別する要因となりました。




この読書という文化を、自国語だけでなく外国語でも享受できればすばらしいことです。この点、英語はおそらく世界で最も大規模な読み書きの文化をもっていますから、英語の読書の習慣はぜひ身につけておきたいところです。

 

また、英語習得という点でも、初学者は正しい発音の仕方を学び、英語の音に慣れ、ある程度の文法を学んだら、とにかく大量に読書を楽しんだら英語力がメキメキ上がることは多くの人が証言している通りです。

 

英語を話すことには、間のとり方や、話の切り込み方など、相互対面状況を体験しないと習得しがたい側面もありますが、少なくとも一人である程度しゃべり続ける場合は、読書で凝縮した英語表現を学んでおくことが決定的に大切です。いわゆる「英語ペラペラ」の人の中には、常套句を繰り返すだけで、中身のない話を延々と続ける人がいます。そういった人は、英語を知らない人からすれば「すご~い、英語がペラペラ」と賞賛の対象かもしれませんが、英語がわかる人からすれば「うるさい」と思われるだけです。人に聞いてもらえるだけの内容と表現を身につけるために、ぜひ英語読書を重ねてください。





■ Graded Readersとは


Graded Readersとは、外国語学習者のために語彙や文法をとりわけ優しくして書かれた読み物で、難易度が段階別になったシリーズとなっています。広大教英では学部控室に多数そろえてありますので、貸出簿に名前を書いて、自由に借り出してください。



 

■ 英語多読のコツ

英語の多読を続けるには、SSS式多読が (http://www.seg.co.jp/sss/learning/)が勧める多読3原則が参考になります。SSSでの3原則は、(1)辞書は引かない(引かなくてもわかる本を読む)、(2) 分からないところは飛ばして前へ進む(わかっているところをつなげて読む)、(3) つまらなくなったら止める(1と2の原則で楽しく読めない本は読まない) 、です。


私なりに言い換えると、まず最初の1ページから数ページを読んでみて、スラスラと目が動き、なおかつ、少し心が引き込まれるような本を選び、心と身体で感じる楽しさを求めて読む、ということになりましょうか。


また最初はバカにせずに、思いっきり初歩のレベルから読み進めることをお勧めします。目がスラスラと動くことを体感してほしいですし、語彙と文法が制限された中で読者を楽しませる初歩レベルの本には驚くほど斬新な表現があり、知っているはずの英語がこのように使えるのかと新鮮な発見があるからです。






■ 英語発音の訓練も同時並行で行ってください。


もし英語を多読しても、活字から生きた声が再現できない人は、生きた英語そのものをまだあまり体験していないことが考えられます。「広大教英生がお薦めする英語動画集」 (http://kyoeivideoselection.blogspot.jp/)でTED動画を見たり、ディズニーやピクサーなどの大人も子どもも楽しめる映画を繰り返し見たり (http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/04/blog-post_09.html)することを同時並行に行ってください。


それでも「いや、実は私はリスニングが本当に苦手で・・・」と英語の動画や映画を楽しめない人は、発音ができないので(英語の発音の仕方を意識的に理解できていないので)、英語を聞いても、英語の発音法を知っているように深く英語を処理できないのではないかと思われます(一般に、人間は自分ができない運動とできる運動を知覚したときには、後者の方がはるかに深いレベルで処理できます。運動技能を獲得していることにより、知覚するだけでも何らかのシミュレーションが行われるのではないかと推測されます (参考 ミラーニューロン ― ただ私はミラーニューロンに関する正確な専門知識はもっていません―)。そんな人は、例えば以下のようなサイトで発音についてじっくりと自分のペースで学んで下さい。







英語発音入門
http://kccn.konan-u.ac.jp/ilc/english/

英語発音がよくなる10のコツ

http://hatsuon.msize.net/index.html

発音記号一覧

http://hatuon.sakura.ne.jp/p_minikouza/itiran.php

英語子音の発音法のわかりやすい表記

http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/12/blog-post_09.html






英語発音は、正しい発音法を知っており、その知識で自分のスピーキングとリスニングの活動を振り返ることを続けていれば、時間はかかっても確実に上達することができます。別に「ネイティブのようになる」必要はないと私は考えますが、誰が聞いてもすぐに理解してもらえる発音は一生の宝になります。ぜひ若いうちに発音の自己訓練を行って下さい。











■ リスク (学生のみなさんへ)




柳瀬の授業を受講する学生さんは、このブログに投稿するため、このブログのパスワードを共有します。パスワードによって記事の投稿、編集、削除などが可能になりますが、このことを悪用すれば、このブログに社会的に認められないようなひどい文章を書くことも、これまで友人が書いた記事にひどい中傷を加えることも、なんでもできます。また、悪意をもった人が勝手にパスワードを変えてしまえば、他の教英生も私もこのブログが管理できなくなり、その人が勝手にどんなひどいこともできます。




また、教英生にそんな悪意はなくとも、パスワードを不用意に他人に教えたり、パスワードの管理をいい加減にすることによって、誰か悪意をもった外部の人にパスワードを知られたりしたら、同じようにひどいことは起こりえます。




以上が、このブログを運営する上でのリスクですが、私は、教英生ならびに私の授業の受講生の善意と注意深さを信頼することにしました。




「広大教英生」、あるいは「広大生」、はたまた「大学生」の名を高めるのも貶めるのも、ひとえに皆さん次第です。また、名を高めるためには、多くの人の長い間の努力が必要ですが、名を貶めるには、邪悪な心をもった人もしくはいい加減な行動をする人が一人いれば十分です。皆さんの責任ある行動をお願いする次第です。





■ 関連ブログ




広大教英生がお薦めする英語動画集
http://kyoeivideoselection.blogspot.jp/