2016年11月11日金曜日

Edgar Allan Poe : The Black Cat and Other Stories

【作者 : タイトル】
Edgar Allan Poe: The Black Cat and Other Stories

【出版社】
PENGUIN READERS

【レベル】
Level 3

【感想】
4つのサスペンスホラー作品が収録されていますが、その中でもThe Black Catを取り挙げたいと思います。
これは日本でも目の前を通り過ぎると不吉とされている黒猫に振り回された男の話です。もともとは動物が大好きな心優しい紳士だったのですが、ある大きな黒猫が家にやってきてからというもの、酒癖が悪くなり大好きなペットや妻にも手をあげるようになります。
すべての元凶がこの黒猫にあると考えた男は斧を手に取りますが、その時止めようとした妻を殺してしまいます・・・
深夜に読んでしまったのでなかなか眠れませんでした。
怖い話に飢えている方はぜひ。

【印象的な英語表現】
He was black, black all over, and very intelligent.
その猫が本当に真っ黒な猫だったことが強調されています。この物語のテーマの一つでもあるhorrorが感じられ、これからどんな悪いことが起こるのだろうかと読者に思わせます。

Suddenly, I was not myself any more. /I took my knife from my pocket, held the poor animal by his neck and cut out one of his eyes.
過度の飲酒で自己を保てていない様子が伝わってきます。大好きだった飼い猫のPlutoをthe poor animalというくらい酷い酔いだったのもありますが、catとcutを並べないようにしたのかとも思いました。付属のCDではイギリス英語で同じように発音されていました。

He got up when I touched him, and pressed the side of his head against my hand several times.
猫が手に何度も頬ずりする様子を、こんな簡単な単語の組み合わせで表現できるのかと驚きました。

And there was the cat, standing on her head, his red mouth wide open in a scream, and his one gold eye shining like fire. The clever animal! My wife was dead because of him, and now his evil voice was sending me to the gallows.
物語の最後の3~4行です。herというのは惨殺された後、壁に埋められた妻のことです。彼にこれまでふりかかった災難が猫の描写に用いられていたのが印象的でした。猫を木に吊るして殺した男が、その猫に絞首台まで導かれるだなんてとんだ皮肉だと思いました。

(毀傷表現失礼しました。)

【投稿者】
five cats

【これまでの合計ポイント】
13ポイント(2016/11/11)




【感想】

怖い怖い怖い…と何度読むのをやめて一旦本を閉じたことだろうか。作者は、物語の途中にもたびたび読者に警告をする。“きっとあなたはこの話を信じられないだろう”というように。正にHorrorだった。題名にも出ているThe Black Catでは、主人公の手によってネコも、奥さんまでもが…殺されてしまうのである。読んでいるうちに気づけば眉間にしわを寄せてしまっているような、不気味で読むのをやめてしまいたくなるような物語。苦手な方は、夜寝る前ではなく、昼間に読むことをお薦めします。

【印象的な英語表現】
I do not know why, but I hated the way he loved me.

何も文法的に引っかかるところのない普通の表現。それが妙に頭から離れずに何度も脳内再生されるので、今回はこの文を取り上げることにした。
気に入ったのはthe way he loved meである。文自体、リズムよく読むことができるが特に後半が読むのに非常に心地いい。それに「愛し方」なんていう表現にもまた心をくすぐられた。

【投稿者】

はなびら

【ポイント数】

これまでの合計は20ポイント(2017/2/16)

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