2015年7月19日日曜日

Victor Hugo: Les Miserables

[タイトル]
Les Miserables

[
出版社]
Penguin Readers

[
レベル]
6

[
感想]
2012
年に映画化もされ,ミュージカルなどでも人気の「レ・ミゼラブル」の物語です。この小説にある「銀の燭台」のエピソードは有名で,道徳の副読本にもなっているそうです。
1800年代の激動のフランスを舞台をし,物語を通して,人が自らの犯した罪や,社会情勢,周りの人間関係に苦悩しながらも幸せを見つけていく性善説を感じさせる物語でした。英語で読める感動できる話を探している人に,ぜひ読んでもらいたい本です。他のGraded Booksにも言えることですが,この本をきっかけに原書を読んでみたいと感じるきっかけになります。(レ・ミゼラブルの原書はフランス語ですが…。)


[
印象的な英語表現]
I should have given it away a long time ago.
銀の燭台の物語から。ここのitには,銀の燭台(silver-basket)が当てはまり,それをとっくにあげておくべきだった。という意味になります。Should+have+PPの文の意味が文脈を伴って覚えられるよい表現だと感じました。

I’ve bought your soul from the Devil, and have given it to God.
こちらも銀の燭台の物語から。司祭が銀の燭台を盗んだValjeanに言った言葉です。細かいところに着目すると,Deviltheがついて,Godtheがついていないところも面白いです。

Then, as her eyes adjusted to the light, she saw the kind old face of Jean Valjean looking down at her, and she relaxed.
Cosetteが眠りから目覚めるシーンの描写です。イメージをすると,光に焦点が合い,Valjeanの顔に気付き,安心した。という順番になると思います。順序と動詞の使い方(adjustsee)にも表現の多彩さを感じました。

You know, M. Marius, I think I was a little bit in love with you.
Eponineという少女が死ぬ間際に言った言葉。Mariusには恋人がいて,自分の思いが伝わらないことを分かったうえでの言葉なので,you know~, I think~, a little bit~, というあいまいやためらいがみられる表現が使われているのかなと感じました。とすると心の奥では好きでたまらなかったのかなと思うと悲しくなる場面です。

For sake of Cosette’s happiness, he would have to try and save the life of the man she loved - the man he hated more than any other in the world.
誰かの幸せのために動くことで,自分の幸せを害する可能性があることが時にはあるように思います。そのような心の葛藤がみられる表現に感じました。ちなみに,would+have~ だから実際にはその男を守りにいかなかったわけではなく,would+have to~ で「~すべきだ」の意味で使われています。

[
投稿者]
Miras


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合計ポイント]
30
2015.7.19

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【感想】
19世紀フランスの社会情勢や民衆の生活を舞台とした作品で、主人公Jean Valjeanの生涯を通して愛、情熱、犠牲、夢などさまざまなものが描かれる心奪われる作品です。作中の登場人物はどれ”unforgettable”です。その中でもわたしはFantineの母親としての愛とEponineの恋心の切なさといじらしさに惹かれます。Les Misérablesはフランス文学作品なので正確に翻訳することはできませんが、日本語であれ英語であれ、愛に溢れたこの作品は涙なしでは読むことが出来ません。何度読んでも感動する大好きな作品です。

【印象的な英語表現】
‘You know, M. Marius, I think I was a little bit in love with you’
エポニーヌの切ない恋が終わった瞬間です。マリウスのことを本当に心から愛していたのにa little bitと控えめに告白して自分の片思いを終わらせ息をひきとったのが、本当に切なく感じました。

‘Valjean smiled, his eyes shining with love and happiness, but he was beginning to lose strength.
ヴァルジャンにとって最も愛おしく大切な存在であるコゼットに看取られながら息をひきとる場面です。彼にとってコゼットとの人生は最高の幸せであったことが伝わり涙なしでは読めないシーンです。crytearを使わずともヴァルジャンの表情が伺えます。

‘Love one another always. There is nothing else that matters in this world except love.’
ヴァルジャンの最期の言葉であり、この物語全体のメッセージでもあるなと思います。Les Misérablesは愛に溢れた素晴らしい物語です。

【投稿者】


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