2017年12月8日金曜日

Oliver Twist: Charles Dickens


[タイトル]
Oliver Twist: Charles Dickens

[出版社]
OXFORD UNIVERSITY PRESS

[レベル]
6

[感想]
この本は生まれてから不幸が重なり貧しく苦しい環境で育った少年オリヴァーが産業革命後のイギリスで強く、「善」を貫いて生きる姿がとても印象的な作品である。
大学の講義で扱われた作品で、興味を惹かれ、読本してみた。
この頃のイギリスでは産業革命で成功したブルジョワが勢力を誇っていたが、その一方で貧しい労働階級の人々の生活はひどいものであった。
人口過多により人の溢れたイギリスのスラム、劣悪な衛生環境、犯罪の多発する町、死刑執行が行われる広場、など細かい描写が簡単な英語でわかりやすく表現されている。
この作品の中でオリヴァーは終始「善」を貫いており、それとは真逆に多くの犯罪者たちが「悪」として魅力的な姿で描かれている。
現在のイギリスを作り上げた産業革命の頃の現状を知ることができ、また「善」と「悪」について考えさせられる作品でもある。
この本と合わせて是非とも映画化されたOliver Twistも見てみて欲しい。本よりもよりわかりやすく内容を把握することができる。

[印象的な英語表現]
The jury returned, and passed close to Fagin. He could tell nothing from their faces; they could have been made of stone.
陪審員たちが戻ってきて、フェイギンのそばを通った。
まるで石造りであるかのように、彼らの表情からは何も読み取ることができなかった。

これは、泥棒集団の長であるフェイギンがとうとう裁判にかけられその判決を待つ場面で用いられた一文である。フェイギンはこの文の前文で絞首台の光景を想像しており、その描写が英文だとは思えないほど生々しく、リアルに感じられたことで次文であるこの一文がより強調されていた。
この文の中で使用されているtellは“伝える”などの意味ではなく、couldを伴って“知る”や“わかる”、“見分ける”などの意味合いで使われている。そのことを初めて知ることができた。
また、they could have been made of stoneという一文はとても理解しやすく、英語学習者にとって面白いと思える表現であると言える。

[投稿者]HM

[現在までのポイント]

12ポイント

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