[タイトル]
William Wilson: Edgar Allan Poe
[出版社]
Penguin Classics
[感想]
これはドッペルゲンガーをテーマにした物語である。「黒猫」や「アッシャー家の崩壊」で有名なポーの作品の1つであり、読み手にどこか不気味な印象をもたせます。主人公ウィリアム・ウィルソンと姿かたち瓜二つの分身によって苦しめられる、または自らを苦しめていく様を1人称の視点からまくしたてるような、それでいてゆっくりとした口調で物語は進んでいく。この分身はウィルソンの”良心”であるともとれる。結末はぜひ読んでください。
文章が比較的難しいので、辞書や日本語訳と照らしながら読むのがおすすめです。
[印象的な英語表現]
"You have conquered, and I yield. Yet henceforward art thou also dead -- dead to the world and its hopes. In me didst thou exist -- and, in my death, see by this image, which is thine own, how utterly thou hast murdered thyself."
「お前は勝ったのだ。己は降参する。だが、これからさきは、お前も死んだのだ、――この世にたいして、天国にたいして、また希望にたいして死んだんだぞ! 己のなかにお前は生きていたのだ。――そして、己の死で、お前がどんなにまったく自分を殺してしまったかということを、お前自身のものであるこの姿でよく見ろ」(佐々木直次郎訳)
The same name! the same contour of person! the same day of arrival at the academy! And then his dogged and meaningless imitation of my gait, my voice, my habits, and my manner!
同じ名前! 同じ体つき! この学校への同じ日の到着! それからまた、私の歩きぶりや、声や、服装や、態度などにたいする彼の執念ぶかい無意味な模倣!(佐々木直次郎訳)
[投稿者]
ママ
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