2016年12月11日日曜日

The Picture of Dorian Gray: Oscar Wilde



【タイトル】
The Picture of Dorian Gray

【出版社】
OXFORD BOOKWORMS

【レベル】
Level3 (1000words)

【感想】
「年をとりたくない」「ずっと若いままでいたい」誰もが思ったことのある願いかもしれません。タイトルにもなっている主人公のドリアン・グレイはとても綺麗で美しい顔の持ち主で、性格もよく、愛される若者でした。しかし、友人バジルによって描かれた彼の肖像画、そして新たに出会う男ヘンリー・ウォットンによって彼の人生は狂っていってしまいます。ヘンリーの言葉は彼を魅了し、ドリアンは「美しさ」に取り憑かれてしまう。ドリアンがバジルによって描かれた肖像画を見た時に願った「この肖像画がかわりに年を取って、自分はこの肖像画のように若いままでいれたらいいのに。」―この願い通りになったドリアン・グレイの人生と衝撃の最期とは。
レベル3と読みやすく、先が気になり一気に読み進めることのできるお話です。ドリアン・グレイを取り巻く人間、特にヘンリーとの会話はテンポもよく読者までもその言葉に乗せられてしまいそうになります。後半のドリアンの心情にも注目です。

【印象的な英語表現】
’When your youth goes, your beauty will go with it’, said Lord Henry.
このようなヘンリーの言葉に乗せられて、ドリアンは全く違う人間へと変わっていきます。ヘンリーは「若さ」「美しさ」を強調してドリアンに新しい考え方を植え付けていくのですが、その台詞の中の1つです。
‘You have the same wonderful face, but where is the kind and gentle boy who sat for my portrait? Have you no heart?’
ドリアンの肖像画を描いたバジルの台詞です。ヘンリーと親しくなり変わってしまったドリアンに語りかけます。最後のHave you no heart?Do you have no heart?の意味ですが、イギリスではこのようにdoが使われる前の形である動詞から始まる疑問文が未だ残っているという話を英語史の授業で聞き、聞いて以来、初めて出会ったのでとても印象に残りました。

【投稿者】
ちび

【ポイント数】
これまでのポイントは3ポイント(2016/12/10)

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