2016年10月17日月曜日

Clare Harris:The Umbrella

[タイトル]
The Umbrella

[出版者]
MACMILLAN READERS

[レベル]
Level 1

[感想]
 単に「もの」がタイトルの場合、本文を読む前に2通りの予想が立てられます。その「もの」が製品となるまでを描いた、まるで自分が工場見学をしているような気分になるものと、その「もの」が色々な人の手に渡り影響を与えるもの。この本は後者でした。
 この本はCarlaが赤いステキな傘を買うところから始まります。そこで彼女が若い学生でたくさんお金を持っていないにしても、10ドルの傘を「This is your lucky day!」と7ドルにすぐまけてしまうなんて店主の気前が良すぎると思いました。Carlaの度胸もすごいです。日本ではローカルな商店街ではありえるかもしれませんが、私の周りではめったに見られない光景ですし、私自身値切ろうとも思いません。高2のときに北京を訪れた際、「向こうは片言の日本語で定価よりずっと高く提示してくるから粘って値切るか断るかしなさい」と忠告を受けたのを思い出しました。
 次にCarlaはケーキ屋さんを出たところで、自分の傘がなくなっていることに気づき不機嫌になり、かわりに黒地に黄色いアヒル柄の見た目のよろしくない傘を持っていきます。この後Carlaはストーカー被害に遭うのですが後半その男性と上機嫌でお茶をします。何があったのか気になる方はぜひこの本を手にとってみてください。
 この本から感じたことは、人の気持ちがどんなに移ろいやすいかということです。小さなことで簡単にhappyにもangryにもなれます。そのきっかけはたった一本の傘かもしれません。大切なことは自分が常に物事を楽しもうという姿勢でいるかどうかだと私はこの本を読んで気づきました。

[印象的な表現]
①すべて現在形または現在進行形で描写されており、ドラマが展開されているように感じました。異なる言い方をすればCarlaたちの台本を読んでいるような気分になりました。
②She wants to buy some cakes. Her little brother loves cakes.中学1年生の教科書のような2文ですが、読んでいるときにbecauseを補いたくなりました。この本にはandやbut以外のディスコースマーカーがほとんど登場せず、本当にシンプルな文章で構成されています。「わざわざ書かなくてもわかる」これが自然な英語の1つのポイントなのかもしれません。

[投稿者]
five cats

[これまでのポイント合計]
1ポイント(2016/10/17)

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